就労ビザと退職・転職時の届出について
就労ビザが許可されている外国人の方が退職、または転職する場合、出入国在留管理局への届出が必要になります。この届出は退職、または転職後14日以内に行う必要がありますが、この届出が正しく行われておらず、後になって問題が発生するケースが度々見受けられます。この届出は通常の申請の許可形式ではなく、届出形式になりますが、届出を怠った場合は20万円以下の罰金、虚偽の届出を行った場合1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられます。また、虚偽の届出をして懲役に処せられた場合は退去強制事由にも該当してきますので注意が必要です。
➡退職、または転職後に届出を行わず、14日間を過ぎてしまっている場合には大至急届出を行う必要があります。
また、就労ビザが許可されている外国人の方が退職、転職した場合、上記の届出の他、就労ビザに関しても注意する点があります。例えば、退職した際、許可されている就労ビザの在留期間が残っている場合に、その間現在の就労ビザで在留できるのかという点や、転職した際、在留資格変更許可申請が必要かどうかという点にも注意する必要があります。この点も合わせて解説していきます。
届出の様式
許可されている在留資格によって「契約機関に関する届出」、「活動機関に関する届出」とに届出が分かれていますが、今回は、「契約機関に関する届出」について解説していきます。
届出様式 | 在留資格の種類 |
(1)所属(契約)機関に関する届出 ➡参考リンク:出入国在留管理庁ホームページ |
① 高度専門職1号イ又はロ |
② 高度専門職2号(イ又はロ) | |
③ 研究 | |
④ 技術・人文知識・国際業務 | |
⑤ 介護 | |
⑥ 興行 | |
⑦ 技能 | |
⑧ 特定技能 | |
(2)所属(活動)機関に関する届出 ➡参考リンク:出入国在留管理庁ホームページ |
① 教授 |
② 高度専門職1号ハ | |
③ 高度専門職2号(ハ) | |
④ 経営・管理 | |
⑤ 法律・会計業務 | |
⑥ 医療 | |
⑦ 教育 | |
⑧ 企業内転勤 | |
⑨ 技能実習 | |
⑩ 留学 | |
⑪ 研修 |
退職する場合の届出
就労ビザが許可されて働いている外国人の方が退職した場合、または働いている会社が倒産してしまった場合に行う届出です。この場合は、下表の届出書に必要事項を記入のうえ、出入国在留管理局へ届出する必要があります。
(1)契約機関との契約が終了した場合の届出
① 退職のみ届出➡届出書様式1の4 | |
② 会社の倒産・名称変更・所在地変更の届出 ➡届出書様式1の1 |
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③ 契約終了と新たな契約締結の同時届出 ➡届出書参考様式1の7 |
(2)退職時の注意点まとめ
① 14日以内に出入国在留管理局へ届出を行います。 |
② 退職時に就労ビザの在留期間が残っている場合で、次の転職先が決まっていない場合、適法に在留できる期間は「3か月」 ➡つまり、3か月以内に再就職するか、在留資格の変更許可申請が必要になります。 |
転職する場合の届出
就労ビザが許可されて働いている外国人の方が転職した場合も、14日以内にや出入国在留管理局への届出が必要となります。下表の届出書に必要事項を記入のうえ、出入国在留管理局へ届出を行います。
(1)新たな契約機関と契約を締結した場合の届出
(2)転職時の注意点まとめ
① 14日以内に出入国在留管理局へ届出を行います。 |
② 同一職種への転職の場合 ➡「就労資格証明書交付申請」または「在留期間更新許可申請」を行います。 |
③ 異なる職種への転職の場合 ➡「在留資格変更許可申請」を行います。ただし、ビザの変更が許可される可能性は非常に少ない。つまり、転職前の職種と同一の職種に転職するのが原則になります。なお、単純労働への転職は認められません。 |
■就労資格証明書交付申請について■
➡同一職種への転職であれば、現在許可を受けている就労ビザで、そのまま働くことが可能ですが、転職をしているため、次回の就労ビザ更新の際、必ず許可を受けられるかどうか分かりません。そのため、同一職種へ転職した際、転職後の就労が現在許可を受けているビザで認められる仕事がどうかを出入国在留管理局に確認してもらうことが可能です。その際に交付される証明書を「就労資格証明書」といい、次回の就労ビザ更新を考慮すると、就労資格証明書交付申請を行うことをお勧めします。
※同一職種へ転職した場合で、在留期間が十分に残っていない(6か月未満)場合は、必要な書類を用意して「在留期間更新許可申請」を行うことになります。同一職種への転職であっても、転職後の在留資格更新許可申請を行う際には、追加書類の提出を求められることも多く、申請手続きを行なう際には注意が必要になります。
当事務所へのご依頼について
外国人の方の退職・転職時の届出、就労資格証明書交付申請(転職あり)、在留期間更新許可申請(転職あり)を当事務所へご依頼いただいた場合の報酬額は下表のとおりになります。
※以下の報酬額はすべて税別料金になります。
退職・転職時の届出(1名あたり) | 5,000円 |
就労資格証明書交付申請(転職あり) | 120,000円 |
在留期間更新許可申請(転職あり) | 120,000円 |
※就労資格証明書交付申請(転職あり)、在留期間更新許可申請(転職あり)の報酬金額には、交通費 、日当、印紙代(出入国在留管理局納付手数料)等の経費は含まれていません。これらの概算経費は着手金50,000円として事前に申し受けることとし、業務結了時(法務大臣の許可・交付の可否決定通知時)に過不足の清算を行わせていただきます。
➡上記の届出、お手続きに関しましてご不明な点があれば、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。